よい眠りってなに?(不眠症対策も)

「よい眠り」ってなんなんでしょう?

日本人の平均睡眠時間は、1日あたり7時間50分です。
世界で2番目に睡眠時間が短いです。

世界各国の平均睡眠時間
日本は。7時間50分で世界で2番目に短い。

よい眠りができれば、充実した人生を過ごせる可能性が、高まるかもしれません。

今回のテーマは、「睡眠」

当クリニックInstagram『よい眠りってなに?』でもまとめています。
良ければそちらもご覧いただければ、幸いです。

睡眠問題は万病のもと

睡眠障害は多くの精神疾患で、もっともよく認められる症状の一つです。

実際うつ病では、他の症状に先駆けて、不眠が出現することが多いです。

また、睡眠障害は、生活習慣病をはじめとする、さまざまな身体疾患も増悪させます。

例えば、睡眠時無呼吸症候群は、 高血圧・脂質異常症・糖尿病・ 高尿酸血症・逆流性食道炎などを増悪させます。

よりよい睡眠が健康へとつながるのです。

「よい睡眠」3箇条とは?

・寝つきがよい

・ぐっすり眠る

・寝起きすっきり

全部あてはまれば、よい睡眠とされています。
みなさんは、実践できていますか?

寝つきがよくなるために

昼間に睡眠物質をためよう

起きている時に、脳の疲労に応じて 睡眠物質が溜まります。
なので、日中から起きて活動することで 睡眠物質をしっかり溜めることが重要です。

寝つきの悪さを解消する生活改善ポイント

・毎朝太陽の光で、体内時計を整える
・日中は活動的に
・夜はリラックスする(切り替えが大事)
・休日も朝はいったん起きよう

ぐっすり眠るために

深い眠りには 皮膚温度と深部体温の差が重要

深部体温と皮膚温度の差を しっかり縮める方法として有効なのが「入浴」です。

就寝の1時間30分前に入浴することが、最も効果的と言われています。

時間が無い時は足湯でも可です。(足湯のがめんどくさい気もしないでもないですがw)

お風呂につかる、日本の先人たちはよく知っていますね。

シャワーで済ましがちですが、お風呂につかってみましょう。

寝起きすっきりを勝ち取れ

レム睡眠・ノンレム睡眠を意識してみましょう。

深い眠りの「ノンレム睡眠」と 浅い眠りの「レム睡眠」が 一晩で平均4-5回繰り返します。

この眠りの浅い「レム睡眠」で 起きられると、すんなり覚醒できます。

睡眠時間が90分の倍数になるように、意識してみましょう。

睡眠リズムを利用した スマホの目覚ましアプリもあります。→すごい時代になりましたね。

不眠症と治療

「眠りたいのに眠れない」 「日中の眠気や生活習慣への支障」 それらが3カ月続く場合、不眠症と診断します。

不眠症の治療では、 まず生活環境を改善し、睡眠習慣の指導を行います。

いつものことながら、生活習慣の改善でてきましたw→それぐらい大事です、なかなか変えるが難しいですが。

それでも治らない場合には、 必要に応じて睡眠薬が使われます。

薬物治療を実施している間も、 睡眠習慣の改善は継続して行います。

不眠症治療のゴールは、 「薬に頼らずとも十分な睡眠が 得られるようになること」です。

不眠症治療薬の種類

・GABA受容体作動薬(マイスリー、ハルシオンなど)

脳の興奮を抑えるGABAという神経伝達物質の働きを促します。

ベンゾジアゼピン系は、ふらつきなどの副作用が出やすく、やめにくいという問題点がありました。
しかし非ベンゾジアゼピン系は、不眠の改善作用に特化、 筋肉を緩めるような作用が少ないことから、 ふらつきや転倒の危険性が緩和されています。

・メラトニン受容体作動薬(ロゼレム)

メラトニンが作用する部分を刺激することにより、 体内時計を整え、睡眠を促します。

・オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ)

脳内でのオレキシン(覚醒物質)の働きを 弱めることにより、睡眠を促します。

不眠症治療薬の問題点

・持ち越し効果
薬の効果が翌朝以降も持続してしまい、午前中の眠気、ふらつきが現れやすい。

・筋弛緩作用
筋肉を弛緩させる作用のこと。立ち上がる時に力が入らず、転倒のリスクが大きくなります。(特に高齢者)

・記憶障害
記憶があいまいになったり、経験したことを忘れてしまうことがあります。

・反跳性不眠
突然中止したことにより、不眠症状がかえって強く現れてしまう現象のこと。

・依存症
薬を服用していないと落ち着かない。薬が手元にないと不安になってしまうこと。

最後に

世の中、寝ないひとはいないでしょう。また人生の約1/3は眠っています。

しっかり「よい睡眠」をとれるほうが、体も心も健康でいられる秘訣なのかもしれませんね。

睡眠で悩んでる方は、一度医師に相談してみることをオススメします。

みなさん良い睡眠ライフを!!!

参考文献・URL
日本睡眠学会ガイドライン  日本睡眠学会
不眠症」e-ヘルスネット 厚生労働省