便秘(ちゃんと便で出ますか?)

自分は結構でてますが、女性の方は便秘で悩んでいるかた多いんじゃないでしょうか?
また年を重ねると便秘に悩む人が男女問わず増えていく印象ですね。

便秘か下痢なら、下痢のがいい。

それぐらい便秘はほっておくとよくないですね。

当クリニックInstagram「便秘」でもまとめてますので、そちらもご参照ください。

便秘
便秘の定義
便秘の種類は4種類
便秘の治療

便秘ってどれぐらいで便秘?

日本内科学会は 「3 日以上排便がない状態、 または毎日排便があっても残便感がある状態」 と定義している。

日本人の平均排便回数 6.9回/週

週に0~2回と少ない人たちも8.4%存在
一方、8回以上の人たちも25.0%存在 女性の方が男性よりも回数が少なく、 とくに20代の女性は週に5.1回

便秘の種類は?

ざっくりわけると、機能性便秘3種類と器質性便秘の計4種類です。

①弛緩性便秘 (機能性)=大腸の運動が低下

腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が 十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ
便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多いです。
おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状も起ります。

誘因としては、運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなどがあります。

②けいれん性便秘 (機能性)=大腸の過緊張

副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンの ようなコロコロとした便になるタイプ
食後に下腹部痛、残便感などの症状があることも。
また便秘と下痢を交互にくり返すことも多い
誘因としては、精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群 などがあります。

③直腸性便秘(機能性)=直腸に便が停滞

便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプ
高齢者や寝たきりの人のほか、痔や恥ずかしさ などにより排便を我慢する習慣がある人に多いです。

④器質性便秘

大腸の炎症やがん、手術後の癒着などの原因で、 消化管に通過障害が起こるタイプ
血便、激しい腹痛、嘔吐などがあれば すぐに病院を受診しましょう 。
このような便秘では腸管穿孔を起こすおそれが あるので下剤を使用は絶対だめです!!!

女性に便秘が多いわけは?

・身体的理由

男性と比べて、腹筋が弱いです。
そのため、大腸が便を送り出す力が弱いために便秘になりやすいです。

・ホルモンの作用

黄体ホルモンの作用により、大腸の腸壁から便の水分が吸収されます。
そのため、便が固くなり、便秘になりやすいです。

・精神的な理由

忙しさや、恥ずかしさのために、トイレを我慢することが多いです。
そのため、直腸性便秘になりやすいです。

便秘の治療

まずは生活習慣の改善→できればしてるってツッコミは無しでw

・生活リズムの改善

生活リズムを整えることで、 自律神経が整い、規則正しい排便につながります。

・適度な運動

適度な運動を行うことで、腸の動きが促さます。
しかし運動が難しい方はどうしたらいいのか?
そういった方は、お腹のマッサージなどでも腸の動きを促すことができます。

・便意を我慢しない

排便を我慢することが多いと、悪化しやすくなります。
便意を感じた時には我慢せず、 トイレに行くようにしましょう!!

・食生活の改善

規則正しく食べることで腸の活動が促さます。
乳酸菌などのプロバイオティクスや食物繊維 を摂取することも便秘症の改善には有効です。

乳酸菌などはヨーグルトや乳酸菌飲料など、積極的に摂りましょう。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あります。
水溶性食物繊維は、海藻・こんにゃく・ 大麦などに多く含まれます。
不溶性食物繊維は、穀物・豆類・きのこ・芋類・ 野菜・果物などに多く含まれます。

もともと便が硬い人などが不溶性食物繊維を大量 に摂取すると、逆に便が硬くなり便秘が悪化してしまうこともあります。
なので、摂取量には注意が必要です!!

薬物療法

上記生活習慣の改善でもだめなら、お薬での治療を考慮します。

・非刺激性下剤(基本はこっち)

便を柔らかくすることで排便を促す薬
(代表薬剤)酸化マグネシウム、ルビプロストン、リナクロチドなど

(注)酸化マグネシウムを長期間投与されていると 血中のマグネシウム濃度が上昇します。
その結果、血圧低下や徐脈などの合併症を起こすことがあります。
そのため、長期間酸化マグネシウムを飲む時は、定期的に血液検査で血中マグネシウムの濃度を測定することが望ましいです。

・刺激性下剤(どうしてもの時)

腸のぜん動を促して、排便を促す薬
(代表薬剤)センノシド、ピコスルファートナトリウム

最後に

便秘は放っておくと、命の危険性にもおよぶ、怖い病気です。
どうしても出ない時は、薬を使いましょう。
スッキリして、体が軽くなった感じがしますよ。

一度お気軽に、ご相談ください。

参考文献

参考文献、URL
Reprinted from J Neurogastroenterol Motil 2016;22(4):677-685. with permission
慢性便秘症診療ガイドライン2017 日本消化器病学会関連研究会 
便秘」日本臨床内科学会