プラセンタの安全性について

前回「プラセンタ注射」ってなに?というコラムをかいてますので、まだの方はそちらを。

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・プラセンタの副作用について

主な副作用は、注射部位の痛み硬結過敏症(発疹・発熱・掻痒感など)

基本的に注射である以上、痛みはあります、どんな注射でも。

硬結は、通常2-3日程度で消失します。

どんなものでも(薬はもちろん、食べ物でも) 過敏症は起こりえます。

上記のように一般的な薬と、そこまで変わりはありません。

保険の適用が認可されてから40年以上、 これまで一度も 重大な副作用は報告されていません。

・プラセンタ注射薬は血液製剤ではない

勘違いされている方も多いですが、

プラセンタ中のホルモンや血液は、 製造過程で完全に除去されるため、 製剤には含まれていません。

何工程もの安全処理が行われ 、各種感染症の汚染がないことが検査で確認されて

初めて、製品として販売される医薬品です。

プラセンタについてのよくある質問

プラセンタの安全性についての質問
①献血できない
②アメリカでは禁止されている
教えてDr.J

①献血できでないでしょ?

ある病気が関係しています。その病気とは

変異型クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)

異常プリオンタンパクが脳に沈着する病気です。

進行性の精神機能の低下が特徴で、

平均4カ月~2年以内に死に至る、怖い病気です。

通常は自然発生的に起こる(孤発性CJD)が、ほとんどです。

まれに異常な遺伝子を受け継いで起こる(家族性CJD)もあります。

感染してかかる経路としては2つ

汚染された牛の特定部位を食べたとき(変異型CJD)→一昔前に「狂牛病」が、よく取り上げらたの覚えていませんか?

特定の医療上の処置(輸血など)を受けたとき(医原性CJD)

vCJDを献血の際に 血液から検査する方法が未だ実用化していない。

輸血される血に、異常プリオンタンパクが入っている可能性は否定できません。

なので、輸血及び臓器移植(ヒトの臓器に由来するもの) を受けた方からの献血は、制限されています。

上記同様に、プラセンタの注射薬も 理論上、リスクが否定できません。

ちなみに、vCLDにかかる危険性は、 日本で普通に生活していれば1億人に0.1〜0.9人程度です。

またプラセンタに使用される胎盤は、

肝炎やエイズなどのウイルス感染のないこと

狂牛病が流行った時期に流行った地域への海外渡航歴がないこと

上記確認された妊婦さんの胎盤を使用されています。

なので、異常プリオンタンパクが プラセンタに混入されている確率は、

まずほとんど0%に近い考えらます。

②アメリカでは禁止されているけど?

実際のところ、どの理由から プラセンタ注射が禁止となったのか、 確実な理由づけは見つれませんでした。

一部見解として、 アメリカがプラセンタを禁止にした背景には、

プラセンタの製造工程に問題があり、 製造禁止 という結果に至ったという説があります。

一方、プラセンタ注射は禁止だが、

産後に不要となってしまった胎盤を カプセルとして摂取する方法は推奨されてます。

注射は禁止だけど、カプセル(飲み薬)はOK →ダブルスタンダード、これがアメリカって感じです。

プラセンタは安全なのか?

色々考察しましたが、プラセンタは安全だといえますね。

医療行為、薬はもちろん、食べ物も100%の安全って世の中にはありません。

メリット、デメリットを天秤にかけて、メリットが大きいから、医薬品として認可されるんです。

参考文献、サイト

厚生労働省 「ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用者の献血制限について」

日本赤十字社 「ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤について」